研究内容

固体高分子形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell)

  1. 自己水管理型スタックの開発
    PEFCのシステム効率の向上を図るために,加湿器を用いない無加湿運転の実現を目指しています.そのために,PEFCの発電時に生成される水を電池内部で有効利用するため,触媒層,セパレータおよびスタック内部マニホールドに吸水層を設けた自己水管理型MEA,自己水管理型セパレータおよび自己水管理型スタックを開発しています.
    自己水管理型MEA アクリルセパレータ 自己水管理型スタック
  2. 特性診断法の開発
    ENE-FARMやFCVが普及し,世の中に燃料電池が多く行き渡ると,次はメンテナンスの充実が必須になってくる.燃料電池を長く使うためには,電池の状態を瞬時に把握することが必要となってくる.そのために,燃料電池スタック内の劣化電池を瞬時に探索し,その劣化原因についても診断特性診断法できる診断装置が必要となってくる.当研究室では,2003年から鶴賀電機株式会社と共同で電池電圧の過渡応答を用いて燃料電池用診断器の開発を行っている.
  3. マイクロPEFCの開発
    PEFCの更なる普及をめざし,単2乾電池をPEFCに置き換える研究を行っている.これによって,水素やメタノールを供給するだけで何度も電池を使うことができると共に,単2乾電池の中のセル数を変更するだけで,1つの単2乾電池のサイズで出力電圧を0.6V~6V程度まで変更することが可能となる.またType-C組立図1,小型化を行うと,セパレータなどが精密加工の必要性が高まるために加工費が高くなるが,当研究室では太盛工業株式会社と共同でMIM法(金属射出成型法)によって低コスト化を実現しようとしている.